多彩な魅力が詰まった街・ひばりが丘に暮らす
本場出身のシェフが腕を振るう本格中国料理店と、おもてなしの心

上海料理 寒舎

「ひばりヶ丘」駅の南口側、「谷戸商店街」と書かれた街灯に沿ってまっすぐ歩いていくと、やがて右手に「寒舎」という店が見える。瀟洒な佇まいは最新のカフェのようにも見えるが、その実は、正統派の中国料理店。上海料理を主体にした、単品料理からコース料理まで幅広く提供しているお店である。2階には「SPRING」というイタリア料理を主としたカフェレストランも入っており、同じオーナーによって経営されている。

オープンしたのは、2016(平成28)年の夏。「寒舎」という店自体は以前からすぐ近くにあったが、その時は麺類を主役に据えたラーメン店のような業態で、上海料理は脇役にすぎなかった。それが移転リニューアルによって、上海料理を主役に据えた堂々たる店に変わった。

オーナーは、中国江蘇省に生まれ育ち、上海料理を母国料理に持つマダム。留学を機に来日し、日本人のご主人との結婚を機に帰化したという。「上海料理は本当に美味しい料理。塩味でシンプルな味付けで、油も少なくてヘルシー。だから絶対に日本人の口に合う。たくさんの人に上海料理の美味しさを知ってほしい。そのためにこのお店を作りました」と、思いを熱く語る。その熱い思いに応えて来日した現地出身の腕利きの料理人が腕をふるい、マダムはもっぱらホール担当だ。

メニューの数はかなり多く、麻婆豆腐やエビチリといった王道もあるが、ここでぜひ注文したいのは塩味の炒め物。中でも稀少なユリの花を使った「紋甲烏賊(モンゴウイカ)と百合の蕾(つぼみ)の塩炒め」などは、シンプルな中にも上品な甘みと旨みが同居する、珠玉の一品である。熱したおこげにアツアツのあんをジュッとかけて食べる「海鮮五目おこげ」も、常連客には人気のメニューということ。その他にも、黒酢をたっぷり使った上海風の「酢豚」や、「牡蠣とニラ黒コショー炒め」などもオススメとのことだ。

酢豚

これらは通年の定番商品だが、その他にも、季節の食材を使った料理も数多く登場する。大抵のメニューは単品でもオーダーできるが、好みに応じてコースに組み入れられるそうなので、まず最初の訪問時には、マダムの「おまかせ」でコース仕立てにしてもらうのが良いだろう。予算や好みだけではなく、辛さの具合や体調も細かく聞いて、メニューを考案してくれるはずだ。

紋甲烏賊(モンゴウイカ)と百合の蕾(つぼみ)の塩炒め

もちろん「おまかせ」以外のコースもあり、昼夜関係なく同じ内容・価格となっている。1名あたり3~4,000円ほどのコースがいくつか設定されているが、驚くべきはそこに飲み放題がセットされていること。料理は7~8品ほどのコースが多く、素晴らしすぎるコストパフォーマンスと言える。フカヒレが入るコースでさえも、飲み放題付きで5,500円(税込)だ。但し、この価格を実現するために、コースのオーダーは4名以上に限定しているそうだ。

海鮮五目おこげ

2階の「SPRING」

ランチタイムには、よりリーズナブルな価格のセットメニューも登場する。日替わりのものと週替わりのもので、合計6種類がどれも1,000円前後で味わえる。毎日訪れても重複することが無い。ちなみに、建物は1階がエントランスになっており、地下が「寒舎」、2階が「SPRING」という造りになっているが、「寒舎」だけが15時以降中休みに入る。そんな時にも、マダムはお客さんを帰すのではなく、「上のフロアでゆっくりお過ごしください。コーヒーも、お替わりを100円でお付けします」と声を掛けてくれる。もちろん、2階も同じように広々と、清潔感のある空間で居心地に遜色は無い。機会があれば次回は、この2階も訪れてみてほしい。優しい笑顔のご主人が迎え入れてくれるはずだ。

マダムによれば、「寒舎」とは、「寒さが入り込むような粗末な家にきてくれてありがとう」という意味があるという。その言葉のとおり、この店には一歩引いた「おもてなし」の精神が宿り、それは謙遜の文化を持つ日本人の琴線をくすぐる。この店を普通の中国料理店と思ってはいけない。日本人以上に日本人らしい、中国出身のマダムの“感謝”の心が宿る店である。

上海料理 寒舎
所在地:東京都西東京市谷戸町2-15-12 愛和ビルB1F
電話番号:042-439-3556
営業時間:11:00~14:30、17:00~22:30(L.O.22:00)
定休日:無休
http://kansya.tokyo/

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